中野区議会、今週は常任委員会が開催されました。私の担当する区民委員会の議論のうち、気になるいくつか報告しておきます。
所管事項の報告1 平成30年度までの区債権の状況と平成31年度における収納率向上に向けた取り組みについて
→主要3債権(特別区民税、国民健康保険料、介護保険料)についての報告。過去五年、この3つでは国保料だけが収入未済額が減らず、23区の収入率順位が下がっています。「外国人と若年層の収入立が低い」と分析しながら、特に若年層対策は極めて不十分。『若年層は所得が低い』と認めながら、その対策はモバイルクレジット納入やペイジー納入を導入しますと。そういうことではないでしょう。他の自治体では生活困窮を事由とした債権放棄の仕組みを導入しているとこともあります(滋賀県野洲市、千葉県船橋市)。この検討についても求めたけれど、検討をしないと明確な答弁でした。
私たち日本共産党は、協会けんぽ(社保)に比べ高すぎる国民健康保険料について抜本的な値下げを国に求めること、区でも一般財源を投入してでも値下げをすることを求めてきました。高すぎて払えない、結果必要な医療にかかれないのでは意味がありません。引き続き国保料の値下げを求めていきます。
2 アニメコンテンツを活用した地域ブランドづくり事業の実施について
→中野区、豊島区、杉並区の3区と、東京商工会議所の各区支部が連携して「アニメコンテンツを活用した情報発信」をするのだそうです。
やり取りの中で、区がいかに「アニメコンテンツについて理解がないか」が良く分かりました。やってもいいとは思いますが、他にももっと発信できること、中野区にはあるでしょう。我慢ができず、つい「脱アニメマンガを」と言ってしまいました。僕自身サブカル勢ですが、こういう世界には行政に手を突っ込んでほしくないし、中野区=アニメマンガと思われることには辟易してます。
4 歴史民俗資料館の再整備について
→ここ、少しもめました。「れきみん」が綺麗になって内容が強化されるのは歓迎すべきことです。しかし今回はいきなり事業者との契約や変更内容などが示されました。これまでは再整備予算だけは示されていて、本来ならこの定例会の前に再整備(案)という形で議会に示されるのが本来のやり方。ここを飛ばしてしまった理由が縷々述べられ、今後は改善するとの答弁でした。
6 森林環境譲与税活用の基本的な考え方について
→森林環境譲与税は、国民の皆さんから徴収した税で森林保全をしようというもの。これだけだと良さげに見えますが…復興税の終了後に形を変えて徴税を継続するとか、個人負担はあるけれど事業者負担がないこととか、いびつな税制です。そもそも林業がダメになっていったこれまでの行政の責任も問われていません。
区は、中野区のこの税収により、「なかの里・まち連携」の自治体である群馬県みなかみ町の林業を応援するためにも使うとしています。具体的には中野区から林業に携わる若者をつのる、というもの。
中野区はカーボンオフセット事業により、二酸化炭素排出量をみなかみ町に押し付けています。こんなことをせず、この予算を使って中野区にみどりを増やすことはできないのかと質しましたが、この税の使い道については厳格に決められており、あくまで森林保護のためで、植樹などは想定されていないとの答弁でした。制度そのものに納得がいきません。
7 羽田空港機能強化に係る区の取り組み状況について
→中野区から再度説明会を求めたとのことですが、これまたしても「オープンハウス型」で行われたのでした。これまでも「教室型でおこなうべし」と求めてきましたが、今回OH型だった理由について『教室型を求める区民の声がない』と答弁がありました。これはおかしい。昨年12月には羽田新航路を中止して欲しいとの陳情があがっており、この中に教室型説明会の開催の求めもありました。逃げている、とも捉えられかねません。