聖火リレー、パブリックビューイング、学校連携観戦と、オリンピック関連事業が次々中止。オリンピック自体も無観客となりました。が、無観客ならいいのかというとどうでしょうか。海外から選手もメディアも来る。国内でも多数のボランティアが動く。感染を防ぐには、どう考えても五輪の中止しかありません。

4度目の緊急事態宣言、第五波の到来、これで開催するなら恐ろしいことになるというのは、多くの専門家が指摘しています。なぜ、ここまでしてオリンピックをやりたいのか。答えはここにあります。『兵庫民法WEB版』の中の、大門みきし参議院議員のエッセイです。

大門みきし「無観客でもやりたい理由」連載エッセイ64

内容をそのまま転載します。

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無観客でもオリンピックを開催すれば、海外から数万人が訪れ、コロナ感染は全国へ拡大します。なぜ菅首相はオリンピックに固執するのか。二つの理由があると思います。
一つは利権です。IOC(国際オリンピック委員会)の収入の大半はオリンピックを各国のテレビ局に放映させる放映権収入です(四年で約七千億円)。このお金をめぐり今まで汚職事件が後を絶ちませんでした。日本の委員会にも配分されるこのお金は委員の高額報酬にも充てられています。IOCと日本のテレビ局を仲介し巨額の手数料を稼ぐのは電通です。テレビ局も大企業からばく大なスポンサー料が入ります。かれらは無観客でもテレビ放映できればいいのです。またオリンピックの運営業務の大半を受注するのはパソナです。会長は私の「天敵」とマスコミも指摘する竹中平蔵氏です。これらの大企業から献金等の支援を受けているので菅首相はオリンピックを中止しないのです。
もう一つの理由は菅首相によるオリンピックの政治利用です。ある自民党議員は「支持率が下がる一方の菅さんが『オリンピックをやりとげた首相』として解散総選挙に打って出ようとしている。そうしないと菅おろしが始まる。イチかバチかの賭けだ」といいました。
しかし賭けにさらされるのは国民の命です。なぜ一部の大企業や菅首相ごときのために私たちの命やくらしが危険にさらされなければならないのか。オリンピック中止の声をとことん上げ続けましょう。
(日本共産党参院議員)
(兵庫民報2021年7月18日付)