戦争体験:父に聞いた話
↑この続きです。
私の母は敗戦の二年前に生まれました。戦前生まれといっても戦争そのものの記憶はなく、母から聞いたのは戦後すぐの生活の苦労話です。一番はやはり食べ物。芋やすいとんばかり、いつもひもじかったと。こういう世代ですから兄弟が多い。母は7人兄弟の3番め。両親、つまり私にとってのじいちゃんばあちゃんは食べのもの確保に大変な苦労をしたと聞いた、とも。
ばあちゃんは私が大学生の頃まで存命でした。一番印象に残ったエピソードは、電車の高架下を通る度に怖がったこと。ガタンゴトンという電車の通過音は空襲の音そっくりなのだそうです。映画などで表現される「ヒュ~」という音ではないそうです。あ、そういえば飛行機が飛ぶのも怖がっていましたね。
父も母も、そんな訳で『戦争だけは絶対ダメ』という教育をしてきました。父は戦争体験の話以外に、沢山の資料を持っていて私に見せてくれました。アウシュビッツ関連の写真は子どもの私には本当に強烈でした。母はかなり小さなころから、原爆の本の読み聞かせなどしてくれました。両親とも当時はノンポリですが、これだけはブレなかった。実は中高生の折りにはオカルトに触れウヨい情報に接近したこともあったのですが、右転落することが無かったのはこの両親の教育の賜物です。そしてそのことが、私と日本共産党を結びつけ、今に至るということです。私には反戦主義者としての信条を曲げるつもりは絶対になく、従って、戦前戦中から文字通り命がけで戦争に反対してきた日本共産党の先輩方へのリスペクトも揺らぐことがありません。
余談ですが、「戦争」の反対は何か、考えたことありますか?そんなの『平和』に決まってる?では平和とはどんな状態でしょう?
「戦争がない状態」が平和でしょうか。デジタル大辞泉にはこうあります。
1.戦争や紛争がなく、世の中がおだやかな状態にあること。またそのさま。
2.心配やもめごとがなく、おだやかなこと。また、そのさま。
戦争がない状態は文句なく1.です。では2.はどうでしょう。経済政策が失敗をつづけ家計消費の落ち込みが進むなか、消費税増税後のこのコロナ禍。国からは何らの有効な手立てもなく、感染は拡大の一途。8月以降は地方で重傷者が増えるなど新たな局面となっています。庶民の苦労をよそに無理から推進するGOTOキャンペーン。今のこの状況は、とても平和とは言えないのではないでしょうか。