私たち日本共産党は、これまで様々なデマによる誹謗中傷にあってきました。都度都度デマを指摘する論陣を張っても、しばらく経つとまたぶりかえす。こういう不毛なたたかいを強いられてきたのですが、市民運動が活発化する中、デマによる誹謗中傷の対象がどんどん広がっていきました。そしていよいよその対象がANTIFAへと。

はいここで。ANTIFAとはそもそもなんでしょうか。さもそういう団体があるかのような前提で報じるニュースも少なくありませんが、ANTIFAとはAnti-Fascism、つまり反ファシズムの立場ということですね。そうです、立場。そんな団体があるという訳ではありません。断言します。これは、「左翼」という団体が存在しないのと同じですね。ファシズムに反対するという意思表示なのですから、極めて当たり前の立場でしょう。

少し丁寧に、ファシズムとは何か、について。以下のリンク先が一番詳細で正確だなと思います。

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
『狭義には,資本主義が全般的危機に陥った第1次世界大戦以降のイタリアで,労働者階級の革命運動の高揚に対抗して登場し,議会制民主主義を否定して反革命独裁を志向したベニト・ムッソリーニに率いられたファシスト党の運動,体制,およびそのイデオロギーをいう。「ファシズム」の語は「結束」を意味するイタリア語ファッショ fascioが,ファシスト党の母体である戦闘ファッシ Fasci di Combattimentoに使用されたことに由来するが,この語はさらに,古代ローマの執政官の権標であった儀式用具ファスケス fasces(斧を中心に木の棒を束ねたもの)にまでさかのぼるという。一般概念としては,それ以後の類似の現象をさすが,近年,多義的に用いられている。極右政党,軍部,官僚中の反動分子らによる政治独裁を目指し,自由主義,社会主義を排撃し,全体主義,軍国主義,ナショナリズムの高唱などを特色とする。具体的には 1920年代から 1930年代にかけて登場したドイツのアドルフ・ヒトラー,スペインのフランシスコ・フランコらによって指導された権威主義体制の運動および体制があげられる。このように当初はムッソリーニの運動だけをさす固有名詞であったファシズムは,やがて 1930年代に入ってヨーロッパをはじめ各国にそれと類似の運動が勃興するに及び,これらを一般的に総称する名称に転化した。』

テキストで貼り付けてしまいました。そういうことなのです。議会制民主主義の否定。自由主義の否定。全体主義、軍国主義、極右によるナショナリズム。ムッソリーニ、ヒトラー、フランコという名前で示される政治体制です。こんなものを否定するのは民主主義の国である日本の私たちにとって当たり前のことです。絶対に繰り返してはいけない社会体制の代名詞です。ですから、本来誰もがANTIFAのはずです。当然私もANTIFAです。逆に聞きたいのは、ANTIFAを非難される方というのは、ファシズムを支持されるということなのでしょうか?その方がよほどあり得ませんね。

そんな当たり前のことを、わざわざ声に出して表明しなければいけない事案が、それこそ世界中で起きている。ANTIFAを名乗るということはそういう危険な兆候に正面から異を唱える立場ということです。繰り返しますが極めてまっとうですね。

そもそも「ANTIFAという団体」が存在するかのような前提で、やれテロ組織だの犯罪者集団だのと決めつけたのはトランプ大統領とその取り巻きですが、これはFBIが「暴動にANTIFAなどの組織の関与は認めず」と報告し公式に否定しています。デマによる煽動を政府がするなんてのはトランプ政権のアレさ加減を良く表していますが、そのデマに簡単にひっかかる日本の「右派」もしくは「ネトウヨ」のリテラシーの低さを憂うばかりです。(というか、デマでも何でも攻撃する材料が欲しいというのが率直な彼らの動機だと思っていますが)